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肝炎最新情報

厚生労働省研究班による「B型C型慢性肝炎・肝硬変の治療ガイドライン2011年版」が作成されましたのでご紹介します。


B型慢性肝炎の治療ガイドライン

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B型慢性肝炎の治療(ガイドラインの補足)

  1. B型肝炎は、HBV ジェノタイプにより治療効果が異なるため、ジェノタイプを測定して治療法を決定する。とくにジェノタイプA、Bは、35歳以上でもIFNの効果が高率であることから、可能な限りIFNを第一選択にすることが望ましい。
  2. IFNの投与期間は24週間を原則とするが、有効症例(HBV DNA低下、ALT値正常化)は48週間投与が望ましい。
  3. IFN在宅自己注射可能な症例は、QOLを考慮して在宅自己注射を推奨する。
  4. ラミブジンおよびエンテカビル耐性株に対しては、ラミブジン+アデホビル併用療法を基本とする。しかし、ラミブジン+アデホビル併用療法を行って3年以上経過してもHBV DNAが4 logコピー/ml以上で、かつALT値 が31IU/L以上の症例は、エンテカビル+アデホビル併用療法も選択肢の一つとなる。
  5. ラミブジン、アデホビル、エンテカビルのいずれの薬剤にも耐性株が出現した症例に対しては、エンテカビル+アデホビル併用療法あるいはテノホビルも選択肢の一つとなる。
  6. Sequential療法を行う場合は、核酸アナログ治療でHBe抗原が陰性化(または陰性)症例で核酸アナログを十分投与し、HBVDNAの陰性化期間が1年以上経過し、コア関連抗原(HBcrAg)も4 .0logU/ml以下の症例に行うのが望ましい。
  7. アデホビル併用療法を長期に行い、腎機能が悪化する症例ではアデホビルは隔日投与にする。
  8. 抗ウイルス療法は、ALT値が31 IU/L以上の場合に考慮する。35歳以上でF2以上の進行例には、ALT値が31 IU/L未満でもウイルス増殖が持続する症例は、抗ウイルス療法の対象となる。しかし、高齢者やHBe抗原陰性例、抗ウイルス剤の投与が難しい例では、肝庇護療法(SNMC、UDCA等)で経過をみることも可能である。
  9. ラミブジン投与中でHBV DNAの陰性化が持続する場合は、原則エンテカビルに切り替える。また、エンテカビルに切り替える際は、ラミブジンの耐性変異がないことを確認することが望ましい。
  10. HIV合併例は、エンテカビル使用によりHIV耐性ウイルスが出現する可能性があるため、エンテカビルは原則として使用すべきでない。したがって、エンテカビル開始時にインフォームドコンセントを取得した上でHIV抗体の測定を行うことが望ましい。

免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策

  1. HBV DNA量が低値・ALT値が正常であっても免疫抑制剤や抗がん剤投与時には、HBV DNA量が上昇して高度の肝障害をきたすことがあるため注意が必要である。
  2. HBs抗原が陰性例でも、HBc抗体あるいはHBs抗体陽性例に免疫抑制剤や抗がん剤投与中あるいは投与終了後に、HBVDNA量が上昇して高度の肝障害をきたすことがあるため、経時的にHBVDNA量を測定し、HBVDNAが陽性化した症例には核酸アナログ製剤を早期に使用することが望ましい。 (難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究班の免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドラインの基準と同様とする。)

C型慢性肝炎の治療ガイドライン

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1型・高ウイルス量症例にリバビリン併用療法を行う場合は、より高い治療効果が得られるプロテアーゼ阻害
剤の使用可能な時期を考慮し、また治療効果に寄与するホスト側の因子であるIL28Bの遺伝子およびウイ
ルス側の因子である遺伝子変異(ISDR、コア領域aa70)などを参考にして、治療の開始を決定するのが望
ましい。

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★Hb値を考慮して、プロテアーゼ阻害剤を含む3者併用療法を行うことが困難と予測される場合は、IFN+リ
  バビリン併用療法を選択する。
★1型,2型ともにうつ病・うつ状態などの副作用の出現が予測される症例に対してはIFNβ+リバビリン併用療
  法を選択する。


C型慢性肝炎の再治療ガイドライン

(A) 新規に治癒目的の再治療を行う症例に対する治療法の選択

  1. 1型・高ウイルス量症例に対するIFN+リバビリン併用療法再燃例への再治療は、ペグIFN+リバビリン+プロテアーゼ阻害剤3者併用療法(治療期間24週間)の治療効果が極めて高い(治癒率88%)ことから、プロテアーゼ阻害剤が使用可能になるまでは、発癌リスクの高い症例(50歳以上F2以上の症例)は病期の進展を考慮し、発癌予防を目的にALT値とAFP値の正常化を目指しIFN単独長期投与を選択することが望ましい。
  2. 低ウイルス量症例や2型・高ウイルス量症例でIFN再燃・無効例への再投与は、IFN+リバビリン併用療法24〜36週間投与が再治療の基本である。
  3. うつ病・うつ状態などIFNαが不適応およびペグIFN+リバビリン併用療法でうつ状態が出現した症例に対しては、IFNβ+リバビリン併用療法を選択する。

(B) 現在治癒目的の再治療中の患者に対する治療法の選択択

  1. 初回1型・高ウイルス量症例でIFN再燃・無効例への再投与は、IFN(αまたはβ)+リバビリン併用療法48〜72週間投与が治療の基本である。
  2. 初回1型・高ウイルス量症例でIFN+リバビリン併用療法再燃(治療後36週までにHCVRNA陰性化例)への再投与は、IFN+リバビリン併用療法72週間投与が望ましい。

(C) 進展予防(発癌予防)の治療

  1. リバビリン併用療法の非適応例あるいはリバビリン併用療法で無反応例の中で発癌リスクの高い症例(50歳以上F2以上)では、IFNの副作用の素因を考慮し、発癌予防目的のIFNの長期投与が選択肢となる。なお、IFNα製剤は、300万単位/日を3日/週を原則とし、在宅自己注射(ペグ製剤を除く)も可能である。また、ペグIFNα2a 製剤を使用する場合は90μg/日を1回/1~2週を使用する。なお、IFN製剤投与開始6か月以内にALT値and/orAFP値の有意な低下がみられない場合は、発癌抑制効果が期待できないため治療を中止する。
  2. IFN非適応例およびIFNでALT値、AFP値の改善が得られない症例は、肝庇護剤(SNMC、UDCA)、瀉血療法を単独あるいは組み合わせて治療する。
  3. 進展予防(発癌予防)を目指した治療のALT目標値はステージ1(F1)では、持続的に基準値の1.5倍以下にコントロールする。ステージ2〜3(F2~F3)では、極力正常値ALT30IU/L以下にコントロールする。

1型・高ウイルス量症例でIFN+リバビリン併用療法を開始にあたってのホスト側の因子
IL28B)およびウイルス側の因子(ISDRおよびコアaa70)からみた治療適応

  1. IL28Bの遺伝子rs8099917がTTで、ISDRがMutant(≧2)、コアaa70がWildの症例は、IFN+リバビリン併用療法での治療効果が高いことから、プロテアーゼ阻害剤の使用可能な時期まで治療を待つことなく、早期にIFN+リバビリン併用療法を開始することも選択肢の一つである。
  2. IL28Bの遺伝子rs8099917がTG、GGで、ISDRがWild(0-1)、コアaa70がMutantの症例は、IFN+リバビリン併用療法での治療効果が低いことから、プロテアーゼ阻害剤の使用可能な時期まで治療を待つことも選択肢の一つである。

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C型慢性肝炎に対する治療の中止基準

  1. ペグIFNα+リバビリン併用療法を行っても、投与開始12週後にHCV  RNA量が前値の1/100以下の低下がなくHCV RNAが陽性(リアルタイムPCR法)で、36週までに陰性化がなく、かつALT・ASTが正常化しない症例は36週で治癒目的の治療は中止する。
  2. 1型・高ウイルス量症例へのペグIFNα+リバビリン併用療法で、投与開始36週後HCVRNAが陽性(リアルタイムPCR法)でもALT値が正常化例は、48週まで継続治療を行い、治療終了後の長期ALT値正常化維持を目指す。
  3. 進展予防(発癌予防)の治療で、IFN製剤投与開始6か月以内にALT値and/orAFP値の有意な低下がみられない場合は、発癌抑制効果が期待できないため治療を中止する。

C型慢性肝炎の治療(ガイドラインの補足)

  1. 1型・高ウイルス量症例へのペグIFNα+リバビリン併用療法の投与期間延長(72週間投与)の基準:投与開始12週後にHCV RNA量が前値の1/100以下に低下するが、HCV RNAが陽性(リアルタイムPCR法)で、36週までに陰性化した症例ではプラス24週(トータル72週間)に投与期間を延長する。(なお、50歳以上、血小板が13万以下の症例、または肝生検でF3の症例で、投与開始9週目以降にHCV RNAが陰性化した症例では72週間投与も考慮する。)
  2. ペグIFNα+リバビリン非適応例・無反応例に対するIFN単独長期療法は、最初の2週間は通常量の連日または週3回間歇投与とし、最大8週間でHCV RNAが陰性化しない症例は、発癌リスクを考慮して通常量の半分量を長期投与する。または、ペグIFNα2a製剤を使用する場合は、90μg/日を1回/1~2週使用する。

ウイルス性肝硬変に対する包括的治療のガイドライン

(A) 治癒目的のIFN療法(C型肝炎)

  1. 1b・高ウイルス量以外のC型代償性肝硬変に対するIFN療法(IFNβ:フェロンあるいはIFNα:スミフェロン)は治癒率も比較的高いことから、年齢、血小板値と副作用の素因などを考慮して積極的に行うのが望ましい。
  2. 1b・高ウイルス量のC型代償性肝硬変に対するIFN療法(IFNα:スミフェロン)は治癒率も低いことから、IL28Bの遺伝子やISDR、コア領域aa70 の遺伝子変異を測定し、条件の良い症例を選択すべきである。

(B) 治癒目的の核酸アナログ治療(B型肝炎)

  1. B型肝硬変(代償性・非代償性)症例への初回核酸アナログ製剤はエンテカビルを、一方、ラミブジンまたはエンテカビル耐性株出現例ではラミブジン+アデホビル併用療法とする。
  2. B型肝硬変(代償性・非代償性)症例への核酸アナログ投与は、HBs抗原が陰性化するまで長期投与する。

(C) 発癌予防および肝癌再発予防目的の治療

  1. C型肝硬変で治癒目的のIFN無効例にはALT、AFP値の低下を目指し、IFN(IFNα:スミフェロン)の少量長期療法を行う。または、ALT値改善を目指し、SNMC、UDCAなどの肝庇護療法を行う。
  2. B型肝硬変および肝細胞癌治癒後の症例でHBVDNA4 logコピー/ml以上を示す例では、核酸アナログ製剤でHBVDNAを低下させ再発予防を目指す。
  3. 肝硬変症例には血清アルブミン値を考慮して、分岐鎖アミノ酸製剤(リーバクト)を使用して発癌抑制を目指す。

肝硬変に対するガイドライン補足

  1. C型代償性肝硬変に対するIFNの投与法は、初回投与量600万単位/日をできる限り連日投与(2~4週間)し、HCVRNAが12週以内に陰性化した症例は、その後慢性肝炎同様48週間~72週間の長期投与が望ましい。
  2. C型代償性肝硬変に対するIFN投与で、12週以上経過してもHCV RNAが陰性化しない症例は、発癌予防を目指した300万単位/日、週3回投与の長期投与を行うが、投与開始6か月以内にALT値やAFP値の有意な低下がみられない場合は、発癌抑制効果が期待できないため治療を中止する。
  3. 血小板値が5万以下のC型肝硬変では、IFNの治療効果を十分検討の上、脾摘手術あるいは脾動脈塞栓術を施行後IFN治療を行うことが可能である

なお、次のような一般向け肝炎情報サイトもありますので、どうぞ参考にして下さい。

■B型肝炎に関して / 肝炎.net

■C型肝炎に関して / C型肝炎 C型肝炎ZERO

■医療費助成制度に関して / 医療費助成制度(栃木県ホームページ)

1,「テーマから探す」の項目のうち、「福祉・医療」の中の「健康・保健衛生」をクリックする。
2,「健康・保健衛生」の中の「感染症」をクリックする。
3,「肝炎に関する情報」をクリックし、「肝炎治療に係る医療費助成制度について」をご覧下さい。制度の概要書類や申請方法について詳しく掲載されています。

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